ラベル 自然に逆らう生活 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 自然に逆らう生活 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

浜松にて日本和ハーブ協会主催セミナー

日本和ハーブ協会主催のセミナーで話しをさせて頂くことになりました。 和ハーブとは、ヨモギ、ドクダミなど日本で昔から親しまれていた野草で、海外のハーブに注目が集まる中、日本にも素晴らしいものがあるのに注目されていない現状を見て、もう一度日本の植物の利用を見直してみようという目的で設立された団体です。

興味のある方は是非聞きに来てください。 知らないと損する「医害な真実」をお伝えします。



◎二部は…

  • part 1.
★日本人のための究極の自然療法「和ハーブ」
医療が身近でなく、石油化学が無い時代には、人々が頼れるものは身近な植物たち「薬の和ハーブ」でした。
それは日本の土地環境に生息し、その遺伝子と知恵を引き継がれた日本人にとってもっとも馴染む自然療法。
全国各地に残る薬の和ハーブ文化と、その素晴らしさを紹介します。
  • 
part 2.
パネルディスカッション
浜松在住の環境カウンセラー桑鶴博宣氏をお招きし、
深く掘り下げた内容でディスカッション形式でたっぷりとお伝えいたします。

★環境や時代の変化と和ハーブについて
★浜松に息づく和ハーブについて

「和ハーブって何?」の方から植物大好き!な知識のある方まで楽しめる内容となっています‼︎
★講師ご紹介★
  • 
◎ 古谷暢基氏(ふるやまさき)

和ハーブ協会理事長
日本ダイエット健康協会代表理事
日本ルーシーダットン普及連盟代表

「日本医療の父」である北里柴三郎氏の血を引き、「健康、美容、医療に関する正しい意識と知識の啓発」を人生の使命とする。
予防医学や伝統療法に詳しい日本で数少ない専門家であり、近代医療の裏側に鋭くメスを入れる。
雑誌、TV、ラジオなどにも多数出演。
著書に「カルボナーラとペペロンチーノ、どっちがやせる?」(角川春樹事務所)
「ダイエット検定」(日本ダイエット健康協会)、「寝るだけダイエット」(マガジンハウス)等、多数。
  • 

◎ 平川美鶴氏(ひらかわみつる)
和ハーブ協会理事
和ハーブライフスタイリスト
植物文化研究家

日本の足元の植物「和ハーブ」の価値を伝えるべく協会立ち上げ時より中心スタッフとして活躍。
現在は協会理事として各種講座、講演会、地域振興プロジェクトで全国を飛び回りながら、和ハーブの薬効、産業利用などの様々な面から調査研究し、商品開発やコンサルなども行う。
雑誌やWEB、TVなどにも出演。著書に「あなたの日本がもっと素敵になる 8つの和ハーブ物語」、近日発売の「和ハーブ にほんのたからもの」など。
8月2日(ハーブの日)生まれ。


  • ◎桑鶴博宣氏(くわづるひろのぶ)

環境カウンセラー
林業技師

1962年生まれ。九州は福岡県北九州市出身。
子供の頃から虫が好きで大学でも農学科の昆虫研究室を専攻。その後、環境アセスメントを中心とした自然環境調査に従事し現在に至る。
動物調査中心の生活が突如植物に目覚め、身近な植物が様々な形で人々に利用されてきたことに驚き、植物の有効利用について考えていた矢先和ハーブ協会と出会い更に衝撃を受け現在に至る。

■日 時
  • 8月7日(日曜)
  • 12時半開場 13時開演

  • 一部
13:00〜14:30 古谷暢基氏
「医害な真実」
  • 
二部
14:45〜16:15 平川美鶴氏 
「日本人のための究極の自然療法”和ハーブ”」

  • 16:30〜17:30 桑鶴博宣氏×平川氏 
「環境と時代の変化と和ハーブ」
「浜松に息づく和ハーブ」
  • 

☆懇親会(講演会終了後同会場にて)
18:00〜19:30 (参加希望者のみ)
軽食、ワンドリンク付き 2500円

■場 所
  • 
アクトシティ浜松 研修交流センター401会議室

■参加費
  • 
一部 2500円(前売り・当日とも)
二部 3000円(前売り・当日とも)
通し 前売り 4000円・当日 4500円

お席に限りがあります。
ご予約、事前お振り込みをお願いいたします。

■お申し込み方法
  • 
下記内容をメールまたはお電話でご連絡ください。

※ 事前に参加費をお振り込み頂き、ご入金の確認をもって、お申し込み完了となります。

・参加者氏名
・ご連絡先 メールアドレス、電話番号
・ご職業
・年齢(年代だけで結構です)
・参加希望 (一部、二部 または通し)
・懇親会参加希望の有無
■連絡先
  • 浜松和ハーブセミナー実行委員会
担当 横井

090-5611-3867
hamamatsu.waherb@gmail.com


■振り込み先
  • 静岡銀行 篠原支店
普通 0306190 
浜松和ハーブセミナー実行委員会

※ 8/4(木)までにお振り込みください。

斑点米のこの問題だけはどうしても見過ごすことはできない

ご飯一杯5粒の米粒のために子供たちそして日本の未来が奪われている。

カメムシによる斑点米が1,000粒に2粒あれば、コメの価格が60キロあたり600円から1,000円低下します。ご飯一杯の米粒が2,500粒程度であることから、一杯あたり5粒程度の斑点米があるだけで買い取り額が大幅に下がることになります。  

たったこれだけの斑点米を防止するためだけに、世界的に禁止されてきている農薬が日本では大量に使用されています。私たちの意識が変わらない限り、この問題は解決しません。今日本で使用されている農薬の多くは神経系の農薬です。  

大人に対してはそれほど害は無いのかも知れませんが、子供や胎児に対す影響は大きなものがあるとされています。このため、ネオニコチノイドを中心とした農薬はヨーロッパなどで使用が禁止されてきています。

しかし、日本国内ではこれらの農薬の残留基準値が次々と引き上げられ、この事実は一切報道されていません。日本の子供の発達障害率は世界一であると言われています。私の地域の学校でも発達障害の子供の割合が増加して問題となっています。子供たちにはなんの罪もありません。

僅かな利益のために子供たちの未来を奪ってはいけません。まずは私たちの意識が変わり斑点の混ざった米でも、これは安全な米なんだと受け入れていく必要があると思います。

自然の伝道師

木質バイオマス発電所で懸念されること

今、全国で木のチップや林地残材を利用した木質バイオマス発電所が建設されています。国土の67%を森林が占め、放置森林が問題となっている日本では、地産地消の自然に優しいエネルギーとして注目を集めています。確かに、カーボンオフセットの考え方で行けば、新たな二酸化炭素の発生もなく、森林の成長量分で電力を賄うことができれば、自然に優しいエネルギーだということもできます。  

しかし、現在日本各地で計画されている発電施設は、効率を求めるあまり施設が非常に大型化しており、木材の不足が懸念されるようになってきています。  

現在、稼働及び計画の多い5000kw程度の発電施設に必要な木材の量は、県が現在年間に出荷している木材量と同程度の量が必要となると言われています。県によっては複数のバイオマス発電施設が建設されている地域もありますし、10,000kwを超えるような大型施設が建設されている県もあります。  

このような状況から既に、木材の需要が増大し木材が不足してきているような県もでてきています。更にこの影響はパルプなど大量の木材を使用する業界にも表れてきています。また、国は木材を利用した夢の素材と言われているカーボンナノファイバーの導入を積極的に推進しています。  

太陽光発電の場合がそうであったように、国が無計画に補助金で自然エネルギーの推進を行った結果、補助金目当てに各地でメガソーラが建設され、様々な問題が発生しています。木質バイオマス発電も基本的には補助金なしでは成り立たない事業です。このままでは自然に優しいどころか、森林破壊につながりかねない状況となることが懸念されています。

また、不足する木材を海外で賄うことになれば、一時期日本が世界の森林資源を大量に輸入し、熱帯雨林の森林破壊を助長し国際的に批判を受けた再現となる可能性があります。事実、木質バイオマス発電のチップ材の一部には海外からの輸入材が含まれています。

木質バイオマス発電が悪いものだとは思いませんが、限りある森林資源を有効に活用するためには、現在のような無秩序な計画を見直し、国が主導して森林資源の計画的な利用を行って欲しいものです。 日本は過去にも森林行政では様々な失敗をし、現在も自然エネルギーの導入では様々な問題を抱えているにも係わらず、反省が生かされないのは残念です。

補助金でこれだけ電気を作るのであれば、原発の稼働停止や電力自由化の際に、海外でも行われているように少し電力量は高いが自然エネルギーを使用したいなどの選択肢を設けるべきだと思います。

自然の伝道師

立地適正化と鎮玉地区のおかれた現状

浜松市北区引佐町の鎮玉地区では現在65歳以上の高齢者の割合が4割を超え、準限界集落と呼ばれる状況に陥っています。10 数年後には高齢者の割合が5割を超え限界集落と呼ばれる水準に到達します。限界集落と呼ばれる水準に到達すると、基本的に集落の維持及び再生は困難な状況に陥ります。

65歳以上の高齢者の割合が4割を超える
鎮玉地区の人口は20年後には1000人を切り国土交通省が無居住化するとしている2050年には300人程度になる見通しです

浜松市北区引佐町では花平より北側の集落がこの状況に陥るほか、静岡県内においても新東名高速道路より北側に位置している地域の多くがこの状況に陥り、国土交通省が無居住化するとしている予測を裏付けるものとなっています。

浜松市の進めるコンパクトシティ計画

浜松市の進める拠点配置計画 出典:浜松市都市計画マスタープラン
浜松市北部では上述したように、多くの集落が限界集落と呼ばれる状況となり、集落の維持管理が困難な状況となってきます。高齢者が点在して生活する状況となり、生活が困難となる高齢者の増加が予測されます。また、今後インフラの老朽化に伴い、浜松市のように広い範囲に集落が点在するような状況ではインフラの整備も困難となります。そこで考えられたのがコンパクトシティという考え方です。町を小さくして住居、学校、病院、商店、交通網などを集約し、住み良い町づくりを進めるとともに、インフラの整備負担を軽減することが可能となります。

上記の図でピンク及びオレンジの丸が付いた地域が居住誘導区域に指定されるものと判断されます。 基本的に居住誘導区域は都市計画区域内に設定されることから、都市計画区域では無い鎮玉地区が居住誘導区域に選定されることはありません。日本の人口の91%が都市計画区域に集中しており、中山間地の人の声が届きにくい状況となっています。居住誘導区域を外れた地域は白地地区と呼ばれ、今後行政サービスが低下する地区と位置付けられており、既に不動産業界では資産価値大幅に低下するとして、地域指定への注目が集まっています。

鎮玉地区の人口減少につながる国の方針

  • 土砂災害危険区域と立地適正化
玉の居住地の多くが土砂災害危険区域に指定され、住宅の建て替えが困難となる可能性があります。更に居住誘導区域から外れることによって、今後住宅会社による居住地の整備が困難となるほか、不動産価値が低下するため、担保としての価値が下がり、住宅を建てる場合の融資が受け難くなる可能性があります。
  • 公共施設の統廃合
学校の統廃合、診療所の統合、地域病院の病床数の削減、区の再編に伴う役場などの公共施設の統廃合などが加速する可能性 があります。特に、学校の統廃合は地域社会与える影響も大きく、若者世代の流出につながります。
  • 公共交通に対する補助の削減
高齢化に伴い、車を運転することのできない高齢者の増加が予測されます。一方、人口減少と立地適正化に伴う交通機関への支援削減から、バス路線が減少または廃止される可能性があります。地域の生命線ともいえるバス路線が廃止された場合、お年よりは買い 物や病院に行くことができず、高校生は通学することができなくなるなど地域社会に与える影響は計り知れないものがあります。

コンパクトシティと立地適正化

コンパクトシティと立地適正化  


この二つの言葉を皆さんはご存知でしょうか。この二つの言葉がこれからの私たちの暮らしを大きく変えることになるかもしれません。 しかし、あまりこれらのことについて議論が行われていないことに違和感があります。  

コンパクトシティという言葉は、最近新聞などでも見かける機会が多くなっています。住んでいる地域を小さくまとめ住みやすい町を作るというもので、立地適正化はその制度を進めるための、いわゆる土地の線引きを決めるようなものです。住居や商業施設などの誘導区域を設定して、ここに集約することが望ましいといった地域を決めていきます。立地適正化の目玉は居住誘導区域で、ここに様々な生活基盤を集中させ、お年寄りが歩いて買い物や病院に行けたり、交通基盤を整備して他の地区への通勤、通学を便利にするなど様々な特典が与えられるようになります。  

この制度自体は確かに悪いものではないと思います。今後高齢化社会が進行するなかで、町を小さくまとめ行政サービスの行き届いた住みよい町づくりを目指す。行政もお金が無いなかで、町を小さくまとめることによって経費を削減しながら行き届いた行政サービスが可能になるなどのメリットがあります。  

ただ、問題はこの居住誘導区域から外れた地域に住んでいる人たちです。居住誘導区域外の地域は白地として、今後行政サービスなどが受けにくい状況になる可能性があります。また、住宅会社などによる住居の建築が規制されるようになり、3軒以上の家を建てる場合には許可が必要となります。山間地では土砂災害危険区域の指定もあり家の建て替えが困難な場所も増えている状況です。  

更にもう一つの問題点として、資産価値の問題があります。既に不動産業界などでは話題となっているのですが、白地の地域では今後行政からの支援が受けられないということで、不動産としての価値が大きく下がるものと判断されます。このことによって、新築住宅においても急激に資産価値が下がる可能性があります。このような場合、余程自己資金や収入面などがしっかりしていないと、家の建て替えの際に銀行からの融資が受けにくくなる可能性があるのです。  

ただでさえ人口減少の著しい中山間地において、このような政策が実施された場合人口減少は加速し、地域社会はあっという間に崩壊することが予測されます。国や市などの行政も当然こうなることは予測しており、空き家対策法などを整備しこれらの管理にあたろうとしています。 更に、一時的に人口が加速的に減少する中で空き家や耕作放棄地が増加し、生活が困難となることが予測されるため、高齢者の生活支援などを目的にNPOを整備して対策にあてるという方針が検討されています。 私も中山間地のNPO団体に所属していますが、私たちの活動が結果的には集落が無くなる際の後始末のような活動になってしまうのではないかと危惧しています。

そして、最終的に人がいなくなった地域については木を植えて森林に戻すか、農地を集約して活用するといった方向で検討が行われています。 日本人は長い歴史の中で、山と町に住む人々がバランス良くそれぞれの暮らしを守り国土を守ってきました。 中山間地の人々の暮らしには長い歴史があります。

国土交通省の2050年の無居住化予測ではこのような山間地の大半が無居住化すると予測されています。 以前にも記載しましたが、秋田藩の家老で秋田藩繁栄の基礎を築いたとされる渋江政光は以下のような遺言を残しています。

「国の宝は山也、山の衰えは国の衰えにつながる」

本当にこのまま、日本は山を山で暮らす人々の暮らしを捨ててしまっていいのでしょうか。 そして、このようなことがほとんど議論さえ行われずに進められてしまっていることに憤りを感じます。微力ではありますが、この情報発信によって少しでもこのことを知って頂き、考えていただけるきっかけになればと思います。


自然の伝道師

身近な香りの問題

芳香剤や消臭剤にもVOC

以前文部科学大臣あてに学校での香料自粛が申し入れられたことがあります。香料の入った洗剤や芳香剤のコマーシャルが毎日のように流れ、薬局やスーパーではあたり前のように多くの種類の香料が販売されています。しかし、香料に対してアレルギー反応を示し、授業が受けられなくなっている子供の存在についてはクローズアップされることが無い状況です。  

学校などでの化学物質問題として、揮発性有機化合物VOCによるシックハウス症が以前問題となり、学校で使用される塗料などが厳しく規制されるようになりました。しかし、現段階ではあまり問題とはなっていませんが、これらの芳香剤や消臭剤にもVOCが含まれており、密閉した空間で暖房などを使用した場合VOC濃度が高まることが知られています。  

更に、子供たちの間で消臭という考え方が定着し、体臭などの臭いに敏感になってしまうことで、臭いに対する恐怖感から常に強い臭いを身にまとってしまう危険もあります。 以前にも記載しましたが、臭いは人間の脳中枢に直接働きかける刺激であり、身を守るための重要な器官です。外敵や危険から身を守るために人は臭い刺激に対して素早く反応できるよう、脳の中枢に直接働きかける仕組みをつくりあげてきました。

強い臭いが常に脳の中枢に送り続けられるということは、人間にとって異常信号が常に脳に送り続けられるということであり、精神的にも大きな負担となることが想定されます。また、香料原料の一部は、アレルゲンの原因となる成分が多く含まれ、皮膚炎や喘息を誘発することが知られています。

また、一部の物質には発がん性が疑われる物質も含まれるなど、健康被害が想定される物質が多く含まれるにも係らず十分な規制が行われていない状況です。EUの化粧等に関する規制の中で、香料に関して26種の物質をアレルギー物質として、製品ラベルへの表示を義務化しています  

日本でも、多くのアレルギーの子供の存在が問題となるなか、早急な法整備が望まれる状況です。帝王切開によってお母さんのお腹を開腹した際に、お腹の中から香料の匂いがしたという事例があるということです。

スプレー式消臭剤への懸念

現在スプレー式の消臭剤が一般的に使用されるようになっていますが、粒子状にして噴霧した消臭剤の成分は実はかなり長い期間空中に漂っています。 0.5ミクロン以下となった粒子については、24時間以上空気中を漂う場合もあり、これらの粒子は呼吸の際に体内に吸収されてしまいます。このような粒子が体内に取り込まれた結果、帝王切開の際に香料の匂いがするという事態が発生しているのではないかと思います。  

スプレー式の消臭剤や香料を噴霧する際に、それが粒子となって自分の体に取り込まれる可能性があることを想定してみてください。 臭いは健康のバロメーターです。いろいろな臭いが体の状態を知らせてくれています。自分の臭いを素直に感じて体の声に耳を傾けてください。
自然の伝道師

薬大国日本 見直す時期にきている

抗生物質の無秩序な大量使用による影響

私はかねてから、日本の抗生物質や薬品の使用状況について疑問を呈してきました。日本の抗菌剤使用量は世界の1/4に達し、耐性菌出現率は世界でも突出して高い状況にあると言われています。一説ではヨーロッパの肺球菌に対する耐性菌の出現率が10%程度であるのに対して、日本では80%近い割合で耐性菌が出現していると言われています。  

大腸菌などの微生物は30分程度の短期間で一世代を終了します。耐性菌を作り出すのには、半分程度の菌が死ぬ濃度の薬剤と菌を接触させることによって、生き残った菌が薬剤に対する耐性を得とくしていきます。 この際、微生物は接触した種類の薬剤のみでなく、他の薬剤に対しても抵抗性を持つことが知られています。これを交差抵抗性と言います。細菌は薬剤に対する耐性を持つ際に、細胞壁を厚くしたり抵抗性のある遺伝子を収得するなどして耐性を高めますが、この耐性が使用された薬剤以外にも抵抗性を持つ現象を交差抵抗性といいます。  

現状のように至る所で抗菌材が使用され、殺菌剤、消臭剤、抗生物質が日常的に使用されている現状において、微生物は様々な化学物質に対して耐性を会得してきています。
  

一方、薬剤の開発には10年以上の年月と数十億円とも言われる開発費が必要となり、簡単に新たな抗生物質を作り出すことはできません。日本国内ではメシチリンに耐性を持ったMRSAによって年間2万人程度の死者がでているとの推計があります。交通事故による死亡者が5千人を切っているなか、MRSAによる死亡者がいかに多いかが分かります。

そして、現在抗生物質の中で最も効力があるとされているバンコマイシンについても耐性を示す菌の出現が問題となっています。現状ではバンコマイシン以上の抗生物質は無く、この菌に感染した場合有効な治療方法が無いのが現状です。そして、このバンコマイシン耐性菌は家畜の飼料に添加されているアボパルシンというバンコマイシンに似た性質を持つ抗生物質が使用され続けてきたことが原因であるとされています。  

抗生物質の無秩序な大量使用がこのような結果を招いたのです。抗生物質をはじめとした薬剤の大量使用によって、このほかにも人体には様々な影響が生じています。近年、腸の持つ免疫力に注目が集まり、ヨーグルトなどを利用して腸内細菌を活性化し体を元気にするという考え方が定着しつつあります。  

しかし、一方で菌を殺してしまう抗生物質や抗菌剤が大量に使用されているという矛盾があります。せっかく腸にいい細菌を飲んでも、これらの薬を使用することによって腸内細菌が死んでしまい、体にとって良くない働きをする微生物が腸に定着してしまう可能性があります。
  

薬を飲み続けることによる悪循環

薬カスケードという言葉があります。例えば風邪をひいて病院にいくと、発熱を抑える薬などが処方されますが、風邪薬を飲むと胃腸が荒れてしまう可能性があるので胃腸薬を同時に処方されることがあります。更に、薬を飲むことによって肝臓の働きが弱り、体がだるくなるため別の薬が処方されるというように、薬の処方が数珠つなぎに繋がっていくことを指す言葉です。



日本の高齢者には1日に8種類以上の薬を飲む人が多く存在しています。薬は人間にとって毒でもあります。ある種類の薬を飲むと効果もありますが、体に対して害となることも多く、この働きが副作用として顕著に現れる場合もあります。しかし、目に見えにくい形で緩やかに私たちの体を蝕ばんでいる可能性もあります。 体に入った薬等の異物は、基本的に肝臓によって浄化されます。多くの薬を飲むということはそれだけ肝臓に負荷がかかっているということです。  

薬を飲み続けることによって、免疫機能である腸内細菌を殺し、肝臓、腎臓といった主要な臓器の働きを弱め、更に薬を服用してしまうという悪循環が生じています。そして、このように大量に消費される薬や医療費は国家の財政をも大きく圧迫し、人間の体だけでなく国家をも衰退させる原因となりかねません。  

日本の医療費や年金などの社会保障費は既に国家予算の半分近くを占め、今後も拡大の一途をたどることが予測されています。近い将来、国の税収と社会保障費が同額若しくはそれ以上となることも予測され、日本では社会保障以外の事業については全て国債などの借金によってまかなう必要が生じてくる可能性もあります。  

現在の薬の異常使用は、一部のメーカーやその関係者を潤しているだけで、薬を使用している人にとっても、国の財政にとっても大きな負担となっています。更に、薬をはじめとした薬剤の大量使用がアレルギーの増加や発達障害など、子供たちの体質や精神面にも様々な影響を及ぼしている可能性があります。

薬をはじめとする化学物資なしには、現在の社会発展はありませんでした。しかし、これらの使用方法について見直さなければならない時期になっています。燃料革命や高度経済成長期に様々な公害問題が発生し、それらの問題を克服してきたように、今薬剤をはじめとした化学物質の使用についても見直す時期にきているのではないかと思います。    

ベット数削減、在宅医療強化について思うこと

国は今後10年間をかけて病院の病床数を現在の135万床から10年後には115万~119万床へと減らすという方針を発表しました。国の医療費が国家予算の半分近くにまで迫り、今後高齢者人口の増加により医療費は更に増加し、国の財政を大きく圧迫することが予測されるための措置だと思われます。  

このニュースはそれほど大きくは取り上げられていませんが、今後の日本人の暮らしを大きく作用する重大なニュースだと思っています。10年後には要介護者の増加に伴い、介護師が30万人以上不足するとされています。団塊の世代が介護を必要とする年代となり、大幅な要介護者の増加が予測されるためです。  

国は、病床数を減らし在宅医療を強化するとしています。病床数は20万床程度の減少ですが、要介護者は現在より大幅に増加することが予測されているため、今後自宅介護を迫られる人の割合が大幅に増加するということです。  

私は義父の介護を9年ほど行っていましたが、介護は精神的にも経済的にも負担が大きく、いつまで続くとも分からない介護生活の中で、様々な面で追い詰められていきます。介護者を抱えていると、働き方をはじめ日常生活に様々な制約が生じます。更に、介護保険を利用したとしても、経済的な負担も大きく働き方を制限せざるえないうえでの経済的な負担は介護者を追い詰めていきます。  

そして、30万人を超える介護師不足の解消の目処が立っていないなか、病床数を大きく減らし、在宅医療を強化するということは多くの国民が今後介護と介助に苦しみ、人生の最後を迎えていくということです。  

私は、この制度改革に反対です。

病床数を見直す前にやることがあるのではないかと思っています。その一つが薬です。日本の薬の使用量は世界でも群を抜いて高く、世界の薬の使用量の3割以上を日本で消費しているともされています。お年よりは薬袋を持ち歩き、大量の薬を毎日飲む姿を目にします。毎週決まったように病院に通い、大量の薬を飲む、本当にこんなんに大量の薬が必要なのでしょうか。  

薬と毒は紙一重の関係にあり、異物であり細胞などの様々な部位に直接作用する薬を大量にとることで腎臓をはじめ様々な器官が傷ついている可能性があります。以前のブログの記事で日本の農薬の使用量が先進国で世界一という話しをしましたが、日本では製薬メーカー、農薬メーカーといった企業の力が強く、このように世界的にも類をみない大量消費が放置されてしまっているような気がします。  

医療の無駄を省くことによって、病床数を減らさず医療費の削減を行うことは可能ではないかと思っています。医療先進国とされるアメリカをはじめとした世界各国と日本では、一人当たりの薬の消費量で8倍近い差があるとされています。  

世界的な医療の流れとしては、伝統的な医療である食事や運動、そして様々な宗教を通しての祈りなどに回帰する傾向にあるとされています。皮肉なことにこれは日本が古くから行ってきた医療です。明治以降、日本は西洋医療を取り入れ、必死になって西洋医療の導入と普及に努めてきました。この結果、長寿大国としての地位を手に入れましたが、本当に健康で長生きしている人の割合は減少してきているのではないかと思っています。  

薬漬けの西洋医療が定着した今、世界各国は日本が捨てた伝統医療へと戻ろうとしています。私たちのおじいさんやひいおじいさんの時代には普通に行われてきた伝統医療。今、この伝統医療の良さを再認識し、根本的な医療費の削減に取り組む時期にきているのではないかと思います。

日本消滅 行動を起こすとき


上の図は2050年までに人がいなくなってしまう無居住化地域を示したものです。この年、日本の人口は1億人を割りここを境に日本全体の高齢化と人口減少が加速するとされています。  

私の住んでいる地域もこの無居住化地域に含まれています。これから35年後に自分の住んでいるこの地域が消滅してしまうということは、にわかには受け入れがたいことです。 そして、この町へ町への人の流れはやがて日本そのものを追いつめていくことになるでしょう。

都市部では住宅事情や教育の問題などから、地方と比較すると出生率が低くなる傾向があるとされています。 都市部への人の流れは、日本の人口減少と高齢化を加速させ、やがて日本全体が限界集落のような状態に陥る可能性も指摘されています。

国もこうした動きに危機感を持ち、地方創生を掲げ行動を開始しました。しかし、小手先だけの改革ではこの流れを止めることはできません。 国をあげた企業の地方移転の促進、政府機能の移転、計画的な地方での拠点造りを行っていかなければ、この流れを変えることは困難です。

秋田藩の家老で、秋田藩繁栄の基礎を築いたとされる渋江政光は以下のような遺言を残しています。

「国の宝は山也、山の衰えは国の衰えにつながる」  

国土の7割近い面積を森林が占める日本。山と地方を捨てることは遺言の通り日本の衰えにつながることでしょう。  

今から、たった35年後にこれだけ多くの地域で人が住めなくなるということを予測しているのであれば、もっと迅速に行動を起こしていく必要があるのではないかと思います。そして、地方に住む人たちももっと声をあげ、自分たちの住む地域を守るための行動を起こす時期にきています。

参照:国土交通省 2050年までに無居住化する 地点

自然の伝道師

時代に逆行する農薬の規制緩和

今日私にとって信じられないニュースが飛び込んできました。

それはネオニコチノイド系農薬の規制緩和です。

ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジン、アセタミプリドに関する食品残留基準を緩和し、クロチアニジンの場合、ほうれんそうで従来の13倍に引き上げられる方向です。  

しかし、この農薬はかなりいわくつきの農薬で、近年各地でミツバチがいなくなったというニュースを耳にすることがありますが、その原因がこの農薬の影響ではないかということで、ヨーロッパではこの農薬を規制する動きが高まっています。  

更に、この農薬が近年では子供の脳に影響し、発達障害の原因となっているのではないかと言われています。  

先日、私のブログで日本の農薬使用量は世界トップ水準であるということを記載しましたが、先進国1位の日本と2位の韓国で発達障害の子供の割合が高く、この農薬との関係が疑われているところです。  

通常農薬の基準は、安全側に立って規制するものであり、現在の日本の規制値についてもかなり安全側にたった数値が設定されていますが、様々に影響が指摘され、世界的には使用規制の動きが高まっているこの農薬の基準を緩和する動きは到底納得できるものではありません。  

そして、この農薬の影響を最も受けるとされる子供たちを守るためにも、この農薬の規制緩和には断固反対します。  

日本の農産物は本当に安全?

海外の安い農産物を見ると、日本の農産物は安全だが海外の農産物は心配だという言葉を耳にします。  はたして日本の農産物は本当に安全なのでしょうか。  以下の図は先進国の農薬使用量を示したものです。

先進国の農薬使用量

出典)宮崎大学農学部植物生産環境課IPM技術による病害虫防除技術

なんと、安全であると思われている日本の農産物の農薬使用量は、先進国の中で最も多くなっています。農薬使用量の多い理由として、狭い農地と日本人の生真面目な性格が災いしています。アメリカやオーストラリアなどで飛行機を使って農薬を散布する映像を目にすることがあると思います。しかし、飛行機で散布する程度ですから、実際には単位面積あたりの農薬の散布量は少なくなっています。  

また、海外では多少の虫食いや変形など見た目を気にしないケースも多いほか、農産物が加工品の原料として使用されることも多いので、ある程度の虫食いは許容される状況にあります。しかし、生真面目な日本人は見た目に厳格であるほか、害虫についても例え発生が無くても決められたとおりに散布してしまう傾向があります。

丁寧な草刈りが害虫を増やす

このことは草刈りについても同じ傾向にあります。日本では芸術的とも言えるほど低い位置できれいに草を刈り取る傾向があります。  

しかし、このような方法で草を刈り取ると、多年草で地下茎から素早く繁殖することのできるイネ科の雑草を増やしてしまい、かえって害虫被害を多くする結果となるケースもあります。

高草刈りによるイネ科雑草の抑制効果
出典)研究成果 害虫の発生を防ぐ畦畔管理1 

海外からの農産物に安全面でも及ばない

更に畜産物については、狭いゲージなどで集約的な飼育を行うために、感染症の予防や家畜の精神状態を落ち着かせるために大量の抗生物質が使用されています。現在国内では人間に使用される抗生物質の倍近い量が家畜に使用されています。  

このままでは、価格面で太刀打ちできない海外の農産物に対して、TPP実施後に安全面でも及ばないという結果を招きかねません。従来の管理方法を見直し、効率的で安全な農産物生産を考える時期にきているのではないかと思います。
自然の伝道師

病を治して人を殺す 薬の恐怖

米オハイオ州立大学の研究チームは、市販の多くの鎮痛剤に含まれるアセトアミノフェンに、痛みだけでなく喜びの感情を抑える効果があるという発表がありました。  

アセトアミノフェンは風邪薬などの解熱・鎮痛剤などとして広く一般的に使用されている薬で、古くから副作用の少ない薬として利用されてきました。痛みを和らげるという効果が、感情を抑えるという副作用となって表れている可能性があります。  

人間の体の機能は様々な部分で連動しています。傷みや風邪による発熱は体の発しているSOS信号です。薬はこの痛みを和らげてくれますが、同時に体の発するSOS信号をも打ち消してしまっています。  

風邪をひいたとき、人の体は体温を上げて侵入してきた病原菌を殺そうとします。しかし、安易に解熱剤を使用することによって、体の中で起こっている免疫反応を邪魔してしまっている可能性があります。  

もちろん、極度の高熱は体に障害を起こす可能性がありますが、40度を超えるような極端な高熱でなければ安静にして体の免疫効果に頼る方が風邪を治す近道である可能性があります。  

現在薬局で調剤されている薬代は6兆円を超え、お年寄りは数えきれないほどの薬を管理するのに四苦八苦し、薬袋などを使用して薬を管理しています。

近年、死んだ人の遺体が腐り難くなっていると言われています。晩年は病院通いが仕事のようになり、大切な日課が薬を飲むという暮らしが本当に幸せなのか、薬を使用することによって体の免疫機能、そして喜びのような人として大切なものを失ってしまっているのかもしれません。

自然の伝道師

街路灯のLED照明化について思うこと

LED化による生態系の影響

最近各地の防犯灯、道路照明、信号機のLED化が進められています。青色発光ダイオードのノーベル賞受賞もあってLEDの注目は益々高まっています。小電力で明るく、灯具の寿命も長いなどまさにいいことずくめのような感じがしますが、問題点は無いのでしょうか。  

私の専門は自然環境なのですが、街路灯のLED化についていくつか気になっていることがあります。  

自然のサイクルというのは、当然昼明るく夜暗いという太陽を中心とした日照サイクルによって形成されています。商業施設や工場、道路周辺など夜間強い照明を使用する場所では植物の結実阻害、昆虫の光に対する誘引、渡り鳥やウミガメなどへの影響も指摘されています

私の住んでいる地域は、ホタルの生息地として知られていますが、昨年ホタル生息地周辺の防犯灯がLED照明に変えられ、その後ホタルの光が確認でき無い時期がありました。所属しているNPO法人を通して自治会に相談したところ、ホタルの発生する時期だけ防犯灯にカバーを付けさせて頂くことになり、ホタルの発光を確認することができるようになりました。  

光のイメージこのような夜の明るさや強い光が人間の睡眠に影響を及ぼすことが知られています。寝る前に強い光を見ることによって睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がストップし、結果として睡眠が浅くなるなどして十分な睡眠を確保することができないことが問題となっています。人間を中心とした生態系は昼と夜が交互に繰り返されるというあたりまえの周期によって成り立っています。  

現在、日本各地で夜の暗さを大切にするという活動が行われています。私の住む浜松市でも夜の明るさを大切にするために「音・光・香り条例」が制定され、夜の明るさを大切にするために不必要な強い照明を制限することが定められています。  

もちろん、道路照明や防犯灯は必要な照明ですが、LEDという高性能の照明が今後生態系や照明灯が設置されている周辺に住んでいる住民に対してどのような影響を及ぼすのかはまだまだ未知の部分があります。  

夜を明るく照らす防犯灯は私たちの暮らしに安心を与えてくれていますが、本当の安心は暗い夜空の中にあるのかもしれません。

浜松市 音・かおり・光環境創造条例
自然の伝道師

これでいいのか女子高生

仮想空間から抜け出せ

先日女子生スマホ平均使用時間7時間という記事が発表され、私は衝撃を受けました。更に15時間以上携帯を使用する子も9.7%もいるということでした。  

女子高生なので昼間学校で6時間程度は授業を受けていることを考えると、この数字は衝撃的です。昔、私が高校生の頃に東大など優秀な大学を受験する人間が1日10時間以上勉強しているという話しを聞いて、同じ高校生だった私はどうしたらそんなに勉強できるのかと衝撃を受けましたが、今回受けた衝撃はそれ以上のものでした。  

つまり、女子高生は学校に行っている時間と睡眠以外のほとんどの時間、携帯電話を使用しているということになります。これとは、反対に部活を行っている子を除くと1週間全く運動をしない子の割合が増えているといいます。  

たしかに、携帯電話を使いだすと私のような年寄りでも、メールを送ると返事が気になったりすることがあります。女子校生のように感受性の高い年代であれば、周囲とのつながりが気になるのもしかたないことなのかもしれません。  

でも、これから社会に出て母になる可能性の高い子供たちが、1日の大半を携帯電話についやしているという現状は不気味な気がしますし、この子たちが母になった時、どんな子育てをし、社会がどのように変化してくのかということに不安を感じます。  

昔、ソ連とアメリカが互いに原爆を増やし、互いに目に見えない緊張感の中で身動きのとれないような時代が続いていました。例えは違うのかも知れませんが、今の女子校にも目に見えない緊張感の中、自分たちでもどうしたらいいのか分からず、携帯電話という仮想空間に縛られてしまっているのではないかと思います。  

どこかで、自分の心を開き信頼できる人間関係を築くことができれば、きっとこの仮想空間から抜け出すことができるはずです。そして、きっとそれは自分だけでなく、多くの人が望む空間であると私は信じています。  

一番輝いている時代を一生懸命生きて欲しい。そして、母になったときそれらの体験を生かし、子供たちへとつなげて欲しい。私は今心からそう願っています。

自然の伝道師

食品への異物混入について思うこと

安全意識が高まったきっかけ

最近食品異物に関する報道が連日行われ、食品の安全に対する不安が高まっています。私は以前食品に混入した異物を調査する仕事を行っていました。20年ぐらい前のことですが年間100件程度の異物を調べていました。

その当時と比べると食品工場の衛生状態は画期的に改善されています。以前は有名な大手食品メーカーの工場でもゴキブリやネズミがそこらじゅうにいる状態でしたが、今このような工場はほとんど無くなっています。

食品の安全に対する意識が高まり、一つの異物の混入が企業の存続に係るようになってきたからだと思います。そしてそのきっかけとなったのが、不二家の問題だったのではないかと思います。

コンビニが食品工場を変えた

そしてもう一つ、食品工場の衛生状態を画期的に改善したのがコンビニです。コンビニでの食品の販売量が増えるにつれて、食品工場ではコンビニ対応の生産体制へとシフトしていきました。

それまでは1日1回の生産と納入で良かった弁当、パン、惣菜の生産をコンビニに対応するために24時間の生産体制とし、1日2~3回程度の出荷を行う必要がでてきました。しかし、工場の稼働時間を延ばし、出荷回数を増やしたところで売り上げが2~3倍に増えるわけではありません。また、食品の値段を上げることもできず、各食品会社は非常に厳しい経営環境の中で食品の生産を行っています。

コンビニに食品を納入するためには、非常に厳しいコンビニの衛生検査をクリアする必要がありますし、コンビニでは各食品工場に対して定期的に工場検査を行っています。

コンビニでの食品販売量は大きく、食品工場の衛生環境は画期的に改善されていきました。ただ、食品の生産は手作業に頼る部分も多く完全に異物を無くすのは困難であると思われますが、衛生環境は確実に改善されている状況です。

そしてもう一つ、食品異物の問題として見逃せないのが、家庭や流通の段階での混入です。家庭で食品を保管している間に虫やビニール片が入ってしまうことは良くありますし、歯のかけらや詰め物が異物として持ち込まれることもあります。

このほか、食品害虫の多くは食品の包装容器に孔をあける力を持っています。これらの昆虫は小さくて目立たないのですが、実は一般家庭にも普通に生息していて、未開封の食品の中に昆虫が入っていて異物として持ちこまれる場合もあります。

食品工場は厳しい環境の中で頑張っています。一時的な問題で食品業界全体が問題視されるのは残念なことです。

破滅へと向かう日本

平成25 年度の一般会計予算は92兆円で、このうち社会保障関係費は29兆円で一般会計予算の31%を占めています。このうち、国債の償還などを除いた一般歳出53 兆円に対して、社会保障費の占める割合は54.0%となっており、これに国債の償還を加えると予算全体の7割を超えます。

社会保障給付費と社会保険料収入の差額は、毎年1兆円規模で増大していると言われており、予算全体の4割超は国債などの借金に依存している状況です。現在国の借金は国債などを中心に1000兆円を超えている状況です。更に財務省では現状のままで推移すると2060年度には国の借金は8000兆円になるという試算を発表しました。

将来的な人口減少を加味すると、国民1人あたりの借金は1億円を超えることとなります。人口減少、高齢化の進行、増大する借金と社会保障費、更に再生医療などを中心とした高度医療の進化に伴い、医療費は更に増大し、社会保障費は増大の一途をたどることと思われます。

国民、政治家、行政、誰もがこの現状をある程度認識しながら、特別な対策も無いまま毎年同じような予算が組み続けられています。神風でも吹いてこの状況が変わることを待っているのでしょうか。借金漬けで首が回らず、最後は一か八かのギャンブルにでもでるつもりなのでしょうか。

経済の専門家では無い私には、本当のところどうなのかは分かりません。おやじ世代の私の代まではなんとか乗り切れるのかもしれませんが、本当にこのままでいいのでしょうか。


私にはもう後が無いように思えます。


国民一人一人がこれからの日本を真剣に考える時期にきているのでは無いでしょうか。このままでは近い将来、日本の国家予算は国債の償還と社会保障、そして現存するインフラの維持管理費で大半の国家予算が消費されるという時代がくる可能性があります。

もう先送りすることはできません。国まかせでは無く、一人一人が選挙だけでは無く、常日頃からネットなどを通して問題を提起していくことが重要なのではないかと思い、経済の専門家でも無い私がこのような書き込みをさせて頂きました。

この書き込みはあくまでもおやじのつぶやきですが、なにかの問題提起となれば幸いです。
自然の伝道師

増加する子供の骨折

山や野原で遊ぼう


近年子供の骨折が増加していると言われています。私の子供は中学生のときは上の子が野球部、下の子がバレー部に所属していましたが、大会などの際、骨折して手や足にギブスを巻いた子が目立つような気がして気になっていました。

「学校の管理下の災害-基本統計-(独立行政法人日本スポーツ振興センター)」の調べでは、2011年度には40年前の約2.5倍程度、20年前の約1.5倍程度に骨折が増加しているとされています。気のせいではなく、子供の骨折は増加しているようです。骨折の増加については、食生活の変化や運動不足、日照不足など様々な要因が挙げられています。

私は子供を対象とした自然観察会を行うことがあるのですが、外で遊ぶ子供が減っているせいか、子供の体の使い方やバランスのとり方が下手になっているような気がします。

昔、山や野原で遊んだことのある人であれば分かると思いますが、山を走り回るのにもそれなりに技術と経験が必要です。平坦な公園や運動場と違い、山の斜面は急だったり、草や石が落ちていたり、ツルツルと滑る場所があったり、子供たちは自然の様々な条件の中で、自然とバランスの取り方を覚え、結果として今の子供たちよりも骨折の危険が高いような遊びをしていたにも係らず、骨折する子が少なかったのではないかと思っています。

山や野原で遊ぶことは、体のバランスのとり方以外にも子供に対して様々な効果があるのではないかと思っています。

携帯電話やゲームのように特定の機器から得られる安全に守られた部分的な刺激と異なり、山での遊びは常に危険と隣り合わせです。全身の五感をフルに活用して身を守りながら新たに得られる情報に対応していく必要があります。

そして、その中で出会う未知の生き物との遭遇、山遊びは子供の体と心の発達には欠かせないものだと思っています。

本来、人間は山や野を歩きまわり食糧を得ていました。そうした暮らしの中で人間は様々な能力を発達させてきたのではないかと思います。

特に、幼少期に山の中を歩くことは、体の発達とともに、自然や多くの命と係ることで生命の大切さなど人間として無くてはならない基本的な枠組みが形成されるのではないかと思っています。

もちろん、少子化の影響で近所に一緒に遊ぶ子供も無く、親も共働きで忙しいなど子供たちが伸び伸びと外で遊ぶのが難しい状況になってきていることは理解できます。しかし、今後の子供たちの未来のためにも積極的に子供たちが外で遊べるような環境整備を行う必要があるのではないかと思っています。

自然の伝道師

身近な恐怖、知って心配、知らずに大変 その2

行き過ぎた抗菌の行方


最近テレビで芳香剤や抗菌剤などのコマーシャルを見ない日はありません。店頭の商品にも抗菌性をうたった商品が多く並べられています。近年医療分野では耐性菌の出現が問題となっています。大腸菌などの細菌類は30分程度で一世代を終えます。以前ゴキブリやハエなどの殺虫剤に対する耐性が問題となったことがありますが、ゴキブリは半年~1年で1世代を、ハエは2週間程度で1世代を終えますが、細菌は30分という短い周期で一世代を終えることから、ゴキブリやハエよりはるかに短い周期で抵抗性を得ることができます。

これに対して一つの薬剤を開発するのには10年の年月が必要と言われています。このままではいずれ薬剤の効かない菌が蔓延するのも遠い将来のことではないのかもしれません。

殺虫剤の試験方法の一部に90%致死量という効果を表す試験方法があります。これはある特定の試験に用いたハエを90%殺すのに必要な殺虫剤の濃度を求めるための試験です。

しかし、反対をいえば10%近くの個体は生き残るということです。そしてこの生き残った10%の個体が殺虫剤に対する耐性を有するようになります。

研究所などで抵抗性のあるハエやゴキブリを人為的に作り出すことがあります。生き残った10%の個体を繰り返し飼育していくことで殺虫剤に対して抵抗性のあるハエやゴキブリを作りだすことができます。

それでは、現在巷にあふれている抗菌剤や殺菌剤はどうでしょうか。殺虫剤などの一時的なものと違って抗菌製品の抗菌力は長くその効果が持続するものが多くなっています。

細菌や私たち人間の皮膚も常にそれらの抗菌製品に触れています。私たち人間も細菌も生きた細胞から構成されています。抗菌製品は一部の殺菌成分などの濃度を薄めて人体には影響が少ない程度の濃度で、製品の表面にコーティングしたり練り込むなどして使用しています。

死なない程度の濃度で抗菌剤と殺菌剤が接触することによって、細菌が新たな抵抗性を有する可能性がありますし、皮膚の細胞になんらかの影響が及ぼされる可能性があります。

人間の皮膚には常在菌と呼ばれる菌が付着しています。これらの菌は特に体に被害を及ぼしている分けでは無く、反対に一部の有害な細菌の侵入を抑えてくれる働きがあることが分かっています。

私たちの腸内には100兆個もの細菌が共生していることが分かっています。これらの細菌は消化を助け体のバランスを保つのに役立っています。過度な抗菌剤や殺菌剤の使用は結果として、私たち人間と長く共生してきた共生菌に影響を与えている可能性があり注意していく必要があります。


このつづきは↓

人工的な香りの弊害

身近な恐怖、知って心配、知らずに大変 その3

人工的な香りの弊害


もう一つの問題として、消臭剤や芳香剤の問題があります。最近匂いの残る洗剤や芳香剤が多く発売されています。

人間の鼻で嗅いだ匂いは、そのまま脳の中枢に伝達されることが分かっています。昔から人間は鼻から命に係る重要な情報を収集してきました。食べ物の匂いはその食品の安全性を知るうえで重要ですし、ガスの匂いなどで危険を感じることもあります。

このため、鼻から得られる情報は直接脳の中枢に伝達され、即座に脳によって判断されるようになっています。

近年、芳香剤に含まれる化学物質などが原因でアレルギー症状がでたり、気分が悪くなったりする問題が発生しています。

常に強い香りが身の回りに存在するということはある意味異常な状況ですし、これによって脳の中枢が刺激され続けることは精神的にも決していい状態ではないのではないかと思います。

そして、このことによって本当に必要な鼻からの情報が収集されるのが妨げられている可能性もあります。

人間の体は太古の時代からの長い歴史の中で、自然と調和した形の中で作られてきました。

現在のように多くの化学物質に囲まれた生活は人の歴史の中では本当につい最近の出来事であり、これらの化学物質が人体にどのような影響を及ぼすのかは十分に解明されていない状況です。

事実安全だと思われていた化学物質が、調査が進むなかで危険性が指摘され廃止となった物質が多く存在していることは周知のとおりです。

自然の植物の中にもアレルギーを引き起こすのと同じような化学物質が含まれているものもあります。しかし、植物に含まれている化学物質は一つの成分が突出して存在することは少なく、バランス良く含まれています。

私たち人間は長い歴史の中で、これらの植物の特性を利用して抗菌剤として利用してきました。抗菌性の高いササの葉を利用して植物をくるんだり、魚の横に抗菌性のあるヒノキの葉を添える、カマボコ板に抗菌性の高いモミの板を使用するなど、植物の持つ自然の抗菌力を巧みに利用してきました。

特に、毎日生活する家の環境は重要で、抗菌剤が多く含まれているクロスやボートの貼られた家と、自然の樹木によって細菌の発生を抑えてくれている家とでは、どちらが私たちの暮らしにより良い家かを私たちは感じとることができるはずです。

言葉はいりません一度あなたの五感で感じてください、目を閉じると静かな森の中にいるそんな空間との出逢いがありますように。

身近な恐怖、知って心配、知らずに大変 その1

食品としてのニワトリ

以前、食品添加物や住宅建材に含まれるホルムアルデヒドなど身近な化学物質の危険が問題となり、少しずつではありますが危険な食品添加物や建材に含まれる化学物質の規制が進みこれらの問題は改善されつつあります。

しかし、まだまだ改善されていない問題も多くあるほか、新たに発生している問題もあります。改善されていない問題の代表格が卵を中心とした畜産物の問題であり、新たに発生している問題の代表格が抗菌剤や芳香剤の問題です。

私は、仕事で生き物の調査を行っていますが、野生の鳥の多くは卵を産むときはとても神経質になっていて、少しの刺激で卵を産むのをやめてしまったり、卵を温めるのをやめてしまったりします。鶏も自然に近い状態で放し飼いにすると暗く周りの緩衝を受けにくい場所で卵を産むことが知られています。

しかし、私たちの食べている卵の多くは窓の無い鶏舎の中で1坪あたり120羽を超える過密な環境でされ、身動きをとれない環境の中で機械のように卵を産み、1年~2年経過し産卵率がおちたところで一斉にプロイラーとして処理され、鶏肉として出荷されます。

現在、日本ではバタリーゲージと呼ばれるワイヤーでできたケージの中にニワトリを入れ、それを何段かに重ねて飼育する方式が一般的となっています。平均すると1羽当たりのスペースは22cm×22cm程度で、羽も伸ばせない薄暗い環境の中でニワトリたちは一生を終えます

ヨーロッパではこのようなニワトリの飼育方法が問題であるとされ、一部の国ではこのような飼育方法を禁止していますが、日本ではまだ大半がこの飼育方法によって卵が生産されています。当然このような環境下では日常的に病気の発生リスクが高く、一度病気が発生してしまえば狭い密集した鶏舎の中であっという間に病気が蔓延してしまいます。

このため、病気の発生を未然に防ぐために鶏を含めた家畜類には多くの抗生物質が使用されています。人間の病気の治療などを目的とした抗生物質の使用量は年間500トン程度ですが、家畜にはその倍以上の1300トン程度の抗生物質が使用されています。

卵や鶏肉は物価の優等生ですが、そのような陰にこのような危険が潜んでいることはあまり公になっていません。環境や動物愛護に関心の高いヨーロッパでは、このようなニワトリの飼育形式が問題となって、エンリッチドケージなど、鶏が自由に動き回れるケージでの飼育に切り替えています。私たちもこのような問題を真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

このつづきは↓

行き過ぎた抗菌の行方

関連記事を読む

中山間地域に関する本