限界集落 山間部の暮らしが日本各地で崩壊している

私の住んでいる浜松市引佐町の鎮玉地区は、人口減少が著しく65歳以上の高齢者の割合が人口の半数を超える限界集落へと向かおうとしています。ただ、私がこのことを知ったのは、ある調査の関係で地域の人口を調べる機会があったからで、まさか自分の住んでいる地域がこんな状態にあるとは思ってもいませんでした。  

なんとなく、人が減って高齢化が進んでいるような気がしていましたが、現況は、限界集落への移行段階である55歳以上の割合が50%を超える準限界集落と呼ばれる段階にまで至っていました。更に、人口の階層構造や出生率からみると今後10年以内に限界集落となるのが確実な状況です。  

この地域は、新東名高速道路が浜松いなさインターチェンジから車で5分程度の位置にあり、浜松市の市街地からも車で30分程度であることから、限界集落などという言葉からは無縁の地域だと思っていました。私の描いている限界集落はもっと山間部のできごとで、昔から人の少なかった地域で起こるものだと思っていました。

しかし、調べてみると鎮玉地域より更に市街地に近い地域も限界集落の危機に陥っていることが分かりました。浜松市では限界集落と呼ばれる地域がどんどん南側に拡大し、中心市街に近い地域のみの人口が増加し、その他の地域では人口減少が著しい状況です。

若い人たちや、中高年に将来どのような場所に住みたいですかというアンケートを行うと、必ず緑の多い場所、将来は田舎で農業などをしたいという希望が上位を占めますが、現実には中心部への人の凝縮が加速している状況です。  

そして、このことは静岡県全体の問題でもあります。静岡県の人口流出率は北海道に次いで第2位という発表がありました。関東圏と名古屋という大都市に挟まれ、温暖で暮らしやすいと思っていた静岡県からどんどん人口が大都市圏に流出しています。  

なにが人々を都市部に駆り立てるのか私には分かりません。コンクリートに囲まれ、時間に追われる町の生活、高い家賃やローンの返済、様々ことに縛られ、物音などに注意しながら一生を生きていくのが幸せなのでしょうか。 もちろん、人が生きていくなかで様々な価値感があってもいいと思います。しかし、今山間部の暮らしが日本各地で音を立てて崩壊していっています。  

人は長い歴史の中で常に土と緑を感じて生きてきました。そして、都会で暮らす多くの人も土と緑の大切さを感じていると思います。浜松市引佐町鎮玉地区、人口は減っていますがいいところです。  

緑の町で暮らし、市内の会社に通い、週末は農業。
人生の選択肢に鎮玉地区を加えてみてください。

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