ベット数削減、在宅医療強化について思うこと

国は今後10年間をかけて病院の病床数を現在の135万床から10年後には115万~119万床へと減らすという方針を発表しました。国の医療費が国家予算の半分近くにまで迫り、今後高齢者人口の増加により医療費は更に増加し、国の財政を大きく圧迫することが予測されるための措置だと思われます。  

このニュースはそれほど大きくは取り上げられていませんが、今後の日本人の暮らしを大きく作用する重大なニュースだと思っています。10年後には要介護者の増加に伴い、介護師が30万人以上不足するとされています。団塊の世代が介護を必要とする年代となり、大幅な要介護者の増加が予測されるためです。  

国は、病床数を減らし在宅医療を強化するとしています。病床数は20万床程度の減少ですが、要介護者は現在より大幅に増加することが予測されているため、今後自宅介護を迫られる人の割合が大幅に増加するということです。  

私は義父の介護を9年ほど行っていましたが、介護は精神的にも経済的にも負担が大きく、いつまで続くとも分からない介護生活の中で、様々な面で追い詰められていきます。介護者を抱えていると、働き方をはじめ日常生活に様々な制約が生じます。更に、介護保険を利用したとしても、経済的な負担も大きく働き方を制限せざるえないうえでの経済的な負担は介護者を追い詰めていきます。  

そして、30万人を超える介護師不足の解消の目処が立っていないなか、病床数を大きく減らし、在宅医療を強化するということは多くの国民が今後介護と介助に苦しみ、人生の最後を迎えていくということです。  

私は、この制度改革に反対です。

病床数を見直す前にやることがあるのではないかと思っています。その一つが薬です。日本の薬の使用量は世界でも群を抜いて高く、世界の薬の使用量の3割以上を日本で消費しているともされています。お年よりは薬袋を持ち歩き、大量の薬を毎日飲む姿を目にします。毎週決まったように病院に通い、大量の薬を飲む、本当にこんなんに大量の薬が必要なのでしょうか。  

薬と毒は紙一重の関係にあり、異物であり細胞などの様々な部位に直接作用する薬を大量にとることで腎臓をはじめ様々な器官が傷ついている可能性があります。以前のブログの記事で日本の農薬の使用量が先進国で世界一という話しをしましたが、日本では製薬メーカー、農薬メーカーといった企業の力が強く、このように世界的にも類をみない大量消費が放置されてしまっているような気がします。  

医療の無駄を省くことによって、病床数を減らさず医療費の削減を行うことは可能ではないかと思っています。医療先進国とされるアメリカをはじめとした世界各国と日本では、一人当たりの薬の消費量で8倍近い差があるとされています。  

世界的な医療の流れとしては、伝統的な医療である食事や運動、そして様々な宗教を通しての祈りなどに回帰する傾向にあるとされています。皮肉なことにこれは日本が古くから行ってきた医療です。明治以降、日本は西洋医療を取り入れ、必死になって西洋医療の導入と普及に努めてきました。この結果、長寿大国としての地位を手に入れましたが、本当に健康で長生きしている人の割合は減少してきているのではないかと思っています。  

薬漬けの西洋医療が定着した今、世界各国は日本が捨てた伝統医療へと戻ろうとしています。私たちのおじいさんやひいおじいさんの時代には普通に行われてきた伝統医療。今、この伝統医療の良さを再認識し、根本的な医療費の削減に取り組む時期にきているのではないかと思います。

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