身近な香りの問題

芳香剤や消臭剤にもVOC

以前文部科学大臣あてに学校での香料自粛が申し入れられたことがあります。香料の入った洗剤や芳香剤のコマーシャルが毎日のように流れ、薬局やスーパーではあたり前のように多くの種類の香料が販売されています。しかし、香料に対してアレルギー反応を示し、授業が受けられなくなっている子供の存在についてはクローズアップされることが無い状況です。  

学校などでの化学物質問題として、揮発性有機化合物VOCによるシックハウス症が以前問題となり、学校で使用される塗料などが厳しく規制されるようになりました。しかし、現段階ではあまり問題とはなっていませんが、これらの芳香剤や消臭剤にもVOCが含まれており、密閉した空間で暖房などを使用した場合VOC濃度が高まることが知られています。  

更に、子供たちの間で消臭という考え方が定着し、体臭などの臭いに敏感になってしまうことで、臭いに対する恐怖感から常に強い臭いを身にまとってしまう危険もあります。 以前にも記載しましたが、臭いは人間の脳中枢に直接働きかける刺激であり、身を守るための重要な器官です。外敵や危険から身を守るために人は臭い刺激に対して素早く反応できるよう、脳の中枢に直接働きかける仕組みをつくりあげてきました。

強い臭いが常に脳の中枢に送り続けられるということは、人間にとって異常信号が常に脳に送り続けられるということであり、精神的にも大きな負担となることが想定されます。また、香料原料の一部は、アレルゲンの原因となる成分が多く含まれ、皮膚炎や喘息を誘発することが知られています。

また、一部の物質には発がん性が疑われる物質も含まれるなど、健康被害が想定される物質が多く含まれるにも係らず十分な規制が行われていない状況です。EUの化粧等に関する規制の中で、香料に関して26種の物質をアレルギー物質として、製品ラベルへの表示を義務化しています  

日本でも、多くのアレルギーの子供の存在が問題となるなか、早急な法整備が望まれる状況です。帝王切開によってお母さんのお腹を開腹した際に、お腹の中から香料の匂いがしたという事例があるということです。

スプレー式消臭剤への懸念

現在スプレー式の消臭剤が一般的に使用されるようになっていますが、粒子状にして噴霧した消臭剤の成分は実はかなり長い期間空中に漂っています。 0.5ミクロン以下となった粒子については、24時間以上空気中を漂う場合もあり、これらの粒子は呼吸の際に体内に吸収されてしまいます。このような粒子が体内に取り込まれた結果、帝王切開の際に香料の匂いがするという事態が発生しているのではないかと思います。  

スプレー式の消臭剤や香料を噴霧する際に、それが粒子となって自分の体に取り込まれる可能性があることを想定してみてください。 臭いは健康のバロメーターです。いろいろな臭いが体の状態を知らせてくれています。自分の臭いを素直に感じて体の声に耳を傾けてください。
自然の伝道師

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