カキドオシ 垣根を越えて繁殖する力

雑草だと思っていませんか?

カキドオシは林縁部、草地、畑や田んぼの脇、道端などどこにでも普通に見られる植物です。繁殖力が非常に強く、つるが長く四方に伸び、垣根を越えて繁茂することから「垣根を通す」という意味でカキドオシという名が付けられている植物です。

カキオドシ
カキオドシ
茎が地を這ってどんどん伸びていくカキオドシ
茎が地を這ってどんどん伸びていくカキオドシ

しかし、このやっかいな雑草であるカキドオシが実は優れた薬効のある植物であることはあまり知られていません。本種は生薬名を連銭草といい、銭のような形をした葉が連なって伸びていく様子からこう呼ばれています。

有効成分にはピノカンホン、メントンなどの精油で、血糖降下作用があり糖尿病に効果があるとされるているほか、胆汁の分泌の促進、利尿効果があり腎臓炎の治療にも効果があるとされています。本種は中国だけではなくヨーロッパでも古くから民間薬として利用されています。ヨーロッパでは上述した効果のほかに熱病や肺、気管支の病気の治療に用いられています。

このほか、子供の癇(かん)を良くするということから別名癇取り草とも呼ばれ、日本でも古くから生薬として利用されています。

カキドオシの若い葉は山菜としても利用され、天ぷらなどにして食べることができます。カキドオシという名のとおり、そこらじゅうに繁茂する厄介ものの雑草が、実はすごい効果を持った薬草だったりするのです。

みなさんも、身のまわりに生えている雑草をよーく注意してみてください。厄介な邪魔者だと思っていた雑草が実はものすごい効果を持つ薬草だったりするかもしれません。

自然の伝道師

0 件のコメント:

コメントを投稿

関連記事を読む

中山間地域に関する本