苦労を求める動物の習性
「コントラフローティング」という言葉があります。飼育している動物にエサを与える際に一つのエサは皿の上に、もう一つのエサは木の下などに隠して与えると、多くの動物類が隠してある餌の方を探し出して食べる習性があると言われています。
動物類の脳は苦労せずに手を入れたものよりも、苦労して手に入れたものを好むと言われており、このような習性が動物類の能力を高めるために使われてきたのではないかと考えられています。そして、この能力が一部の動物類では罠や毒餌を判別する能力にもつながっている可能性があります。
更に、動物類の脳波を調べると苦労してエサを手に入れた時の方が、満足度が高くなっていることが確認されています。 近年飼育動物の福祉と健康改善を目的とした「エンリッチメント」という考え方が、動物飼育の中で導入されるようになってきている。 野生動物は本来同じ時間にエサを食べるようなことはありません。
これまでの動物園は、コンクリートで囲まれた檻の中で、同じ時間にエサを与えるというような飼育を行ってきましたが、近年一部の動物園では「エンリッチメント」の考え方を導入し、飼育環境の改善のほか、エサの与え方などにも工夫がみられるようになってきています。
人間とエンリッチメント
そして、このような考え方は同じ動物である人間にも適応できる部分があるのではないかと思います。動物飼育の現場ではコンクリートから土へという流れがあります。 人間においても、コンクリートから木へという流れが自然にできあがってきているのではないかと思います。
そして、食べ物においても以前多くの人に飲まれていた炭酸飲料などがいつのまにか減少して、お茶や水といった自然に近いものが飲まれるようになってきています。 動物の場合、飼育環境やエサを自分で選択することはできませんが、人間は選択することができます。そして、本能的な部分で人間にとって本当に良いものが徐々に選択されるようになってきています
更に、家庭環境の改善を求めるのであれば、明日から旦那の晩酌と夕飯を隠してみてはどうでしょうか。きっと得られた時の満足度は高く、家庭環境の改善にもつながるはずです。
自然の伝道師
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