最後は本能によって本物に戻っていく
その一つが木材などの自然素材の活用だと思っています。木材や土などの多孔質な空間は臭いを吸収するとともに、細菌の繁殖源となる水分も吸収してくれますし、木材に含まれる様々な成分が細菌の増殖を緩やかに抑えてくれます。身近なところではカマボコ板があります。腐りやすい魚類の練り製品であるかまぼこに抗菌性があり調湿効果のあるモミの木の板を使用し、かまぼこを菌から守るとともに魚の匂いなどを抑える効果があり、自然素材をうまく活用した事例ではないかと思います。
また、木材に含まれている抗菌成分は抗菌剤などと異なり種々の成分が緩やかに細菌の繁殖を防いでくれます。木材や自然素材は様々な形で私たちの暮らしに利用されてきました。
現在厚生労働省や農林水産省などでは昔から利用されてきた薬草の効果に着目し、薬草の利用を再び促進する活動をはじています。医療費が膨大し国家予算をも圧迫している現在、薬草の持つ緩やかな効能が再び着目されるようになってきています。
そして、住宅においても一時の人工的なクロスやボートを主体とした家から再び自然素材の家が着目されるようになってきています。
やはり人間自身、なにが本当にいいのかを感じる力を持っていて、最後は本物に戻っていくんだなということを感じています。日々の暮らしが人間の生息基盤であった自然からかけ離れていく中で、生活の基盤となる住宅だけでも自然素材をとりいれることによって人間が本来持っている本能的な能力を活かすとこができるのではないかと私は思っています。
そして、世の中には色々な情報がで回っていますが本当に自分にとって必要なものは数値や宣伝文句などでは無く、自分自身で感じるということだと思います。
私たちは必ず本能的になにが必要なのかを感じる能力を持っているはずです。みなさんも、なにか今日は油っこいものを食べたくないとか無性に特定の食べ物が食べたくなることがあるのではないかと思います。大切なことは自分の本能が知っているはずですし、その本能を失わないような暮らしを続けていくことが重要なのではないかと思っています。
生活用式が大きく変化していくなかで、多くの時間を過ごす家という空間に自然素材を利用するということは、私たち人間が長い歴史の中で自然と係りながらいきてきたDNAであり、人間が本来生きていくなかで最も大切な本能的な能力を最大限に引き出してくれる環境ではないかと思っています。
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