人間の本能 3 過剰になっている抗菌化

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過剰になっている抗菌化

話しはまたそれましたが、もう一つの問題点として抗菌剤があります。今私たちの周りには様々な形で抗菌製品があふれています。私は以前の仕事で殺虫剤の試験を行っていましたが、ゴキブリの抵抗性を高めるのには、半分程度のゴキブリが死ぬ程度の濃度でゴキブリを飼育するか、死なない程度の薄い殺虫剤の基でゴキブリを飼育するなどの方法でゴキブリの殺虫剤に対する抵抗性を高めることができます。

現在、抗菌剤をはじめ除菌機能のある洗剤やせっけんなど様々な製品があふれています。日々このような化学物質と接する中で細菌の耐性が高まってくる可能性も想定されます。

大腸菌などの細菌は 30分という短い時間で次の世代へと分裂していきます。そのため抵抗性も非常に速い速度で得とくしていく可能性があります。これに対して、抗生物質などの開発には 10年を超える長い年月が必要となります。

更に、細菌だからといって私たち人間にとって悪い菌ばかりではありません。私たちの体には特に人間に対して悪いことをしない菌がいるばかりでは無く、腸内細菌のように私たちを助けてくれている菌もいます。

過度な殺菌はこのように体に悪さをしない菌も減らしてしまい、細菌のバランスが崩れてかえって体にとって悪い菌を増やしてしまう可能性もあります。私たち人間も細菌も同じ生き物です。細菌を抑える成分が私たち人間の細胞を傷つけてしまっている可能性もあります。

24時間様々な形で私たちはこのような抗菌剤と接しています。抗菌剤が蔓延するようになったのは、つい最近のことです。これからこのような製品が私たち人間に対してどのような影響がでてくるのかはまだまだはっきりしない部分が多いのではないかと思います。でも、やはり菌は怖いし臭いは嫌だと思う人は多いと思います。しかし、私たち人間は抗菌剤や消臭剤などではなく昔から自然の力を利用してうまくこれらの細菌や臭いを抑える暮らしをしてきました。

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