男のあくなき探究

食べて得られる植物の力

漢方薬や生薬の効果をみているとあることに気がつきます。「滋養・強壮」「精力増強」という言葉が各所にでてくることです。単純に体を元気にしてやる気がでるという意味もありますが、下半身の元気を示す言葉でもあります。中国の古書には、漢方薬の効能について記載されていますが、その中には下半身の効果をうたったものも多くみられます。

静岡県 身近な薬草」(上野明著 静岡新聞社 平成7年)では薬草の効能を中国の古書を引用して紹介しています。この中でも特に目を引くのがイカリソウです。イカリソウは山野の林縁部などに見られる野草で、花の形が錨(いかり)のような特殊な形をしているためこの名があります。

この野草の生薬名は淫羊藿(いんようかく)と言います。淫らな羊というのがこの言葉の意味で、藿は豆類などの若葉を示し、淫らな羊の若葉ということになります。1日百回も交尾する羊がこの草を食べていたことから名づけられたと言われており、始皇帝が愛用したと言われる名高い強壮薬です。

私はまだ試したことは無いのですが、この話しを聞くと一度試してみたくなります。最も、そんな相手もいないので無駄な精力となってしまいますが。

このほか、私たちが普段食べることも多いニラについても、中国の古書ではおもしろく解説されています。ニラの効能として「玉茎、強硬にしてしぼまず、精流とどまらず、こねると針を刺すように痛む」と記載されています。

私はニラレバ炒めが好きで、良くニラを食べますが一度もこのような経験をしたことはありません。針を刺すような痛み一度経験してみたいものです。

もうひとつの「かぐや姫伝説」


日本にも薬草の効能をうたったおもしろいエピソードがあります。誰もが知っている「かぐや姫伝説」ですが、ある地域にはおもしろい言い伝えがあります。

竹はぐんぐんと逞しく伸びる姿から性の象徴的な存在ともされてきました。

そして、竹の表面に付いている白い粉には精力増強効果があるとされています。昔、おじいさんが山で竹の粉をなめたため下半身が元気になり、おばあさんとやってしまい、その後子供ができてしまったということです。

いい年をして子供ができたことを知られるのが恥ずかしくて、子供を竹の中から授かったことにしたという話しです。この話しを映画にした方が、ジブリのかぐや姫の物語よりもおもしろい話しになりそうです。

いずれにしても、今も昔も男の下心は変わらず、そのために様々な努力を重ねていたことが分かります。草食系と言われる今の若者たちにもイカリソウをたくさん食べて、少子化の解消につなげて欲しいものです。

参考図書
静岡県身近な薬草

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