テイカカズラ 歴史に思いを馳せる

鎌倉時代に遡る悲しい伝説

このスクリューのような形をした花はテイカズラという植物の花です。少し注意してみるとみなさんの家の周りでもみることのできる、どこにでも普通にある植物です。つる性の植物で、ほかの木などに巻き付いて生育していることの多い植物ですが、花の時期以外はほとんど目立つことがありません。

テイカズラ
テイカズラ

この植物の名前の由来にはとても悲しい伝説があります。この植物のテイカは鎌倉時代初期の歌人藤原定家から名づけられたものです。藤原定家は後白河法皇の第三女式子内親王に思いをよせますが、その恋は報われず式子内親王は神社に奉仕し、独身のまま亡くなってしまいます。その後も藤原定家は式子内親王を思い続け亡くなってしまいます。

藤原定家と式子内親王の墓は比較的近い位置にあり、藤原定家の墓から伸びた蔓が式子内親王の墓に巻き付いたことから、この名が付いたと言われています。でも、死んだあとも執念で墓に巻き付く思い、とても美しい思いのように思えますが、今だったら反対に気持ち悪がられたりするかもしれません。

そしてこの植物はどこにでも生育していて、樹木や柵などに絡みついてしまうという習性から、普段は邪魔者扱いされ、無残にも切り裂かれてしまうことの多い植物です。定家の長年の思いが無残に切り裂かれていくのは残念です。

自然の伝道師

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